税金の滞納処分と差押さえ

それでは附帯税・加算税にはどのようなものがあるのでしょうか?
延滞税(附帯税) | |
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延滞税は原則的に、納付期限の翌日から完納された日までの日数に応じて以下の通りの年率が適用されます。
・納期限の翌日から~2ヵ月後まで:「7.3%(平成28年中)」
・納期限から2ヶ月超~:「14.6%」
例えば未納所得税100万円で、法定納期限の翌日から完納までの日数が6ヶ月(180日)だった場合・・・
・100万円(未納税額)×14.6%(年率)×180(法定期限の翌日から完納までの日数)÷365=72,000円(延滞税)
となり、72,000円を100万円にプラスして納付しなければならないのです!
利子税(附帯税) | |
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税金を滞納した場合でも、以下に該当する場合は延納日数に応じて延滞税ではなく「利子税」が課せられます。
・法人税で申告書の提出期限の延長が認められた場合
・届出により所得税や相続税等の延納が認められた場合
・災害等によって申告書の提出期限を延長する場合
・延納税額×利子税の年率(平成28年は年1.8%)×延納日数÷365=利子税
過少申告加算税(加算税) | |
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ただし税務調査などがなく 納税者自身が過少申告に気付き、自主的に修正申告したときには過少申告加算税は課せられません。
過少申告加算税は以下のように計算されます。
・「追加納付税額(増加した税額)×10%=過少申告加算税」
また追加納付税額が期限内申告税額(当初納付した税額)、または50万円のいずれか多い金額を超えるときは、その超える部分については15%が課せられます。
無申告加算税(加算税) | |
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無申告加算税には以下の通りの税率が課せられます。
■更正等を予知してなされた場合(税務調査を受けたなど)
・納付税額が50万円以下:「納付税額×15%」
・納付税額が50万円超:「納付税額×20%」
■更正等を予知せず期限後に申告した場合(税務調査などを受けず自主的に期限後、申告した場合)
・「納付税額×5%」
不納付加算税(加算税) | |
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正当な理由なく源泉徴収等により納付すべき税額(国税)を納期限までに納付しなかったときに課せられるのが、「不納付加算税」です。
不納付加算税には以下の通りの税率が課せられます。
■更正等を予知してなされた場合(税務調査を受けたなど)
・「不納付税額×10%」
■更正等を予知せず期限後に申告した場合(税務調査などを受けず自主的に納付した場合)
・「不納付税額×5%」
重加算税(加算税) | |
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重加算税には以下の通りの税率が課せられます。
■更正等を予知してなされた場合(税務調査を受けたなど)
・過少申告加算税、不納付加算税の隠蔽、仮装:「追加納付税額(源泉徴収して納付すべき税額)×35%」
・無申告加算税の隠蔽、仮装:「追加納付税額×40%」
税金を滞納すると財産が差し押さえられます! | |
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通常、正当な理由なく(病気療養中・災害にあった場合などは除く)法定納期限から50日以内(地方税は20日以内)に税金を納付しない場合、税務署(都道府県・市区町村)から督促状が送付されてきますが、この督促状が発送された日から10日以内に納税者が自主的に完納しない場合、税務署(都道府県・市区町村)は滞納者の財産を差し押さえることが出来るようになるのです!(これらの一連の流れを滞納処分といいます)
~差し押さえの対象となる財産~
・現金

・給料
・不動産(土地、建物)
・預貯金
・売掛金等の債権
・動産(車・テレビなど)
・有価証券(株券など)
・電話加入権
・生命保険、損害保険
など・・・
財産を差押さえられると、納税者はそれらの財産を勝手に処分できなくなるばかりか、差し押え後、なお納付しない場合、税務署によって差押さえられた財産が公売等の換価手続きが行われ(最近ではネットオークションを利用したインターネット公売も行われていますね)、換価された代金が滞納した国税に充当されます(差押さえ財産が債権の場合、税務署が債務者に直接、取立てを行い回収し、回収された債権は滞納した国税に充当されます)。

※差押さえ財産が不動産(土地、建物)の場合、その不動産に住むことは出来ますが、勝手に処分することが出来なくなります。
※税金滞納による財産の差押さえや、滞納者の財産調査などについては裁判所の許可は不要なので、差し押さえ前に裁判所、税務署(都道府県・市区町村)から連絡が来ることなく、ある日、突然、差押えられますので注意しましょう!(差押え前に文書にて通知してくれる市区町村もありますが、それは市区町村が任意でしているだけなので、基本的には文書などで通知されることなく差押えられます)
※あくまでも差押えられるのは滞納者個人の財産なので、家族の財産が差押えられるわけではありません。
※滞納者に財産がない場合、または滞納処分が執行されることによって、滞納者の事業継続や生活を維持することが著しく困難だと認められる場合には、滞納処分の停止をすることもできます。
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