国税電子申告・納税システム「e Tax」の利用率が伸び悩む
「電子政府」政策の目玉で、2006年度までに開発費など総額約500億円を投じた国税電子申告・納税システム「e Tax」ですが、一般の利用率は「約3%」と利用者が伸び悩んでいることが分かりました。
共同通信が国会議員144人に2006年度分の確定申告で「e TAX」を利用したかを聞いたところ、利用者は15人にとどまり、一般の利用率よりは若干高いようですが、まだまだ国会議員の中でも利用率は低く、利用しなかった129人のうち利用しなかった理由は以下の通りとなっています。
・申告手続きを任せている税理士に利用するよう指示しなかった・・・51人
・自分で申告したが手続きが面倒だった・・・28人
・申告で「e TAX」を使う発想がなかった・・・22人
・事前手続きが間に合わなかった・・・少数意見
さらに利用しなかった議員のうち、
・来年からは利用したい・・・23人
・来年以降も利用する気はない・・・25人
となっており、「機器購入など壁が高いのでは」(民主党議員)など普及に否定的な意見が相次いでいるようです。
一方では、2006年度の税制改正で「e TAX」を自分で利用した場合、所得税を5,000円控除する優遇措置や一部手続きの簡略化が決まり「使い勝手が良くなるので普及すると期待している」(公明党議員)との声もありました。
「e TAX」は2004年に運用が始まりましたが、自分でデータ送信するには自治体などが発行する「電子証明書」や、証明書をパソコンに読み込む機器(3,000円程度)が必要など、手続きの面倒さが指摘されていました。
ちなみに「e TAX」普及に努める国税庁を外局に持つ財務省のトップ尾身幸次氏も、国会で「使っていない」などと答弁しており、情報技術(IT)などを推進させる役割のイノベーション担当相、高市早苗氏らも未利用と、普及を推進する立場の方たちが利用していないという現実も明らかになっており、政府は各種分野でネットを使って手続きできるシステムの構築を進めていますが、今後さらなる政策が必要とされています。
[平成19年5月9日・TOKYO Webより一部引用]
確かに「e TAX」はネットから確定申告をできると手軽そうなイメージはありますが、実際には利用する前に各種手続き等が必要なので、利用しようと思っても、途中の手続きの面倒くささで断念した人も多いと思います。
また2006年度から5,000円の所得控除が始まりましたが、ちょっと少ない金額なので、もう少し優遇措置を魅力的にしなければ今後、急激な利用率の向上は期待できないでしょうね。
確定申告自体が面倒くさい作業なのに、さらに面倒くさい「e TAX」を利用する意味がありませんからね。
それにしてもこれほど巨額を投じたにもかかわらず、一般の利用率が「約3%」って。。。
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